褒めて伸ばす

褒めて伸ばす

 「親子ねんど教室」をやっていると、実にいろいろなま親子と触れ合う。いろいろ・・というのは、世の中にはそれぞれの親子関係、タイプがあるのだと、つくづく感じさせらるからだ。
 ねんど教室では、大人も童心に帰って思いっきり遊んでもらう。大人が遊べば子供が遊びたがる気持ちがわかる。親子で触れ合い、楽しい思い出づくりにもなると思う。
 とある市の議員さんが私のアトリエを訪れたとき、ねんど遊びを勧めた。議員さんは「私は遊ぶことはいけないことだと思っていました。父親がいつも『遊んでいないで勉強しろ』と言っていたから、遊ぶことってなかったですねぇ」と言いながら、ぎこちなく地球を作った。
 言われてみれば、世の中の親の口癖は「いつまで遊んでいるの!早く勉強しなさい!遊んじゃダメ!」誰でも一度は耳にしたことがあるフレーズだ。勉強することはいいことで、遊ぶことは悪いことだ、と子供心に植え付けられ育ってしまった議員さんだったのだろう。
 ある友人は小学校一年生のとき、音楽の先生から「あなたは音痴ねぇ」と言われ、それ以来、トラウマになって一切歌わなくなったそうだ。大人になった今でも、カラオケに行っても歌わない。
 よく大人が何気なく「不器用ね」という。この言葉も気をつけたい。小さい子供に「あら、上手ねぇ」と言うと、子供はみんな「うん」と言う。もし誰かが「この子、不器用ねぇ」なんて言ったら、その子は「自分は不器用なんだ」と思い込んでしまって、ますます下手になる。伸びる芽をたった一言が摘んでしまうかもしれない。ならば温かい言葉で褒めて伸ばしてほしい。

南日本新聞夕刊 平成19年 日刊20814号